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冷泉荘への道 #01 いきさつ

MCP事務所が「ぎんなんビル」に移転したのが2000年11月。
いわゆるオフィスビルの中にあるため、
アーティストがなかなか来にくい状態になっていました。
(ぎんなんビルは2005年3月までお借りしていました)

アーティストのためのコミュニティがない、と同じ頃に
Navinに指摘されて以来、スペースについて考えていました。
どうしたらアーティストにとって「豊かな」場所になりうるのか・・・。

長年の宿題だったMCPのドキュメント本が出た2003年頃に
私の中で「アートハウス」構想が
少しハッキリしてきました。

ギャラリー、カフェ、イベントスペース、オフィス、アーカイヴ、ショップ、
それにスタジオやレジデンス機能がついた、
アート複合体(アートコンプレックス)構想です。

アート系フリーランスの女性陣が集って共同オフィスに出来ないか、
そういう気持ちが出発点でした。

MCPとして制作し、福岡市宛に何度か提案した、
アートセンター構想などと機能面ではカブりますが
私のイメージでは、
これを一軒家で、民間ベースでおこなう、ということが
ポイントになっています。
当時は今泉あたりに空き家がないかなあと妄想していました。

別ブログ、「アートセンターメモ」↓を見ていただけると
http://acmemo8.exblog.jp/
私の考え方の一部は分かっていただけるかと思います。

やがて2004年春に、
MCPがギャラリーアートリエ運営を委託され、
その年間テーマが「芸術家の家(=アーティストハウス)」になりました。
ギャラリーアートリエ 2004年度「芸術家の家プロジェクト」

これはまあ「アートハウス」とちょっと似ていますが
各回の企画には必ずしも「ハウス」にこだわったわけではなかったので・・・。
しかしながら企画のキモとして
この「ギャラリーアートリエ」を一種のプチアートセンターとして機能させたいという
意図は明らかにありました。

同年、二丈町のA氏宅を借りて「アーティストハウス」、
つまりアーティストが住居を作品化するというプロジェクトを実施しましたが
これも、アートコンプレックスということではなく展覧会会場でした。
MCT2004 基本情報
MCP BLOG内 MCT2004カテゴリ

それにこの2004年は春に art space tetra もオープンしたんですよね。
tetraがそういういろんな機能を持っていそうだから
敢えて わざわざ 今でなくてもいいかな、と思ったのも確かです。
http://www.as-tetra.info/

前置きが長い。

2006年春、2年間ギャラリーアートリエでやってきて
おかげさまで人脈も拡がり
企画の勘所も戻ってきたように感じました。

しかし一方で、思いついたらすぐ実現したい企画や
いわゆるショップ系の作業、
音や匂いが発生するプロジェクト、
難解すぎる作品・・・
「商業施設内の公共施設」では難しいプロジェクトなどを
おこなうスペースの必然性を感じはじめ、
安い物件などを探して廻るようになりました。

地震のせいで(?)中央区のオフィス家賃がずいぶん落ちていたのです。
天神赤坂界隈でも 5万円前後でレンタルできたり
600万で中古マンションが買えたり。

でもそこで「何をやるか」のイメージがはっきりしなかったので
月々の出費を考えると無理かなあ、と保留していました。

まずスペース自体の具体的な「ねらい」が必要だったのです。
大きなきっかけとなったのは
秋の「オハツ企画」ジョシ美展でした。
http://joshibee1.exblog.jp/

 発表する場所がない わからない
 子育て、結婚以来 アートの現場から離れてしまった
 個人活動しているためオフィス機能がほしい

アンデパンダンとして実施したため
私もいままで出会ったことがない いろいろな作家に会いました。
そして今の福岡のアートスペースやシステムの問題点を
身に染みて感じたというわけです。
もちろん、ジョシ美は女性じゃないひとも参加しており、
同じように悩むかたもいるわけですが、
切実なのはやはり女性の立場だなあと。

これは何かやれるのかもしれない。
(女性のために、という大上段なつもりではありません、
それをきっかけに という意味)

いまのギャラリーアートリエから遠くなくて、連動できるようなスペース。
そして、冷泉荘について、交渉を始めることになったのです。
by mcp_fukuoka | 2007-01-13 12:49 | 冷泉荘への道